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ドバイの会社決算や法人税【税務否認を避けるために】移転価格税制やノミニー法人、また業務証明



日系企業の進出支援では最大級 (既に200顧客超え) と言われる弊社ですが、今回は進出後の具体的な現地実態の証明方法やアドバイスなどを記載します。こういった設立後のサポートなども、MDSがここまで多くのクライアント様に支持される理由です。


また、弊社が設立している会社は毎月リアルタイムで本社ホームページに記載しております。


以下ドバイ進出を行う場合の注意事項です。


このようにドバイ側、日本側両国の税制理解をしている会計担当でないと大きなリスクを背負う事となりますのでご注意ください。


⓿ 外国子会社合算税制について

「外国子会社合算税制(いわゆるタックスヘイブン対策税制)」とは、日本の居住者がタックスヘイブン(低税率国)などに設立した外国子会社の利益を、日本の親会社または個人に合算して課税する仕組みです。


つまり──


海外子会社に利益を貯め込んで、日本での課税を逃れようとしても、それは許しません。という日本の税制度です。


背景:なぜこの制度があるのか?


一部の企業や富裕層は、税金の安い国(例:ケイマン諸島、バヌアツ、ドバイなど)にペーパーカンパニーを設立し、利益をそちらに移すことで、日本での課税を回避しようとするケースがあります。このような実質的には日本で稼いだ利益が課税逃れされるのを防ぐために導入されたのが「外国子会社合算税制」です。


🧾 制度の仕組み(ざっくり)


1. 日本の居住者(個人または法人)が

2. 一定以上の持株比率(原則50%以上)で海外法人を保有し、

3. その海外法人が低税率国(実効税率20%未満)に所在し、

4. さらに実態が乏しい(管理・経営の実体がない)


この場合、その海外子会社の利益は、実際に配当されていなくても、日本の親会社に合算されて日本国内で課税対象となります。


対象外(セーフ)になる条件もある


すべての海外子会社が課税対象になるわけではありません。

以下のような場合は対象外(合算不要)です:


• 実体基準を満たしている会社(現地で事業を運営している)

• 適用除外基準を満たすパッシブ会社(受動的所得しかないが、株式保有比率が低いなど)

• 実効税率が20%以上の国にある会社


📌 具体的な影響例


例:

あなたが日本居住者で、ドバイに100%子会社を持っているとします。ドバイ子会社の税率は0%、かつ実質的に日本で指示・管理している場合ドバイ子会社の利益はあなたの日本での課税所得として合算されます。


例:

あなたがドバイ居住者で、ドバイにあなたが100%の会社を持っているとします。ドバイ会社の税率は0%、かつ実質的にドバイ国内で指示・管理している活動拠点や業務実態がある場合、ドバイ会社の利益はドバイでの課税(0%)とされます。


❶ 日本の税制理解(海外居住者に対する税制)

日本に住んでいる個人や、日本に拠点を持つ法人が、いわゆるタックスヘイブン(低税率国)に会社を設立し、そこに経費を払うことで日本側の利益を圧縮し、税金を安くしようとするスキームがよく考えられます。たとえば、「香港やドバイに会社を作って、そこに外注費やライセンス料を支払って、日本の利益を減らす」といったものですしかし、こうしたスキームには多くのリスクと条件があることを理解しておく必要があります。


⚠️ 実態のない法人は“ペーパーカンパニー”と見なされる


まず、低税率国に設立した会社に業務実態がない場合、その会社は「ペーパーカンパニー(実体のない形式だけの会社)」と見なされます。このような会社に対して日本法人が支払った費用は、日本の税務署から「経費として認められない」と判断されるリスクがあります。


さらに、タックスヘイブンの会社を支配・所有しているのが日本の居住者である場合、その会社の利益は最終的にあなた個人に帰属するものと見なされ、日本で課税される可能性が高くなります。


• 個人でその会社の株を持っていれば「個人所得」として課税

• 自分の法人で持っていれば「事業所得」として課税


いずれにせよ、追徴課税(延滞税・過少申告加算税など)を含め、通常より高い税負担が発生するリスクがあります。必ず海外に法人を設立の際はこれらの条件をクリアできる知識を持つ国際会計事務所にご相談ください。

❷ 日本とドバイの両企業の関係性

【ドバイ移住と日本法人の代表についてのよくある質問】

弊社のお客様から、ドバイに移住する際に「日本の会社の代表を退任した方がいいのですか?」といった質問をよくいただきます。結論から言うと、「海外に業務の実態と合理性がある限り、代表を続けていても問題ありません」。大切なのは「誰が代表か」ではなく、「実態があるかどうか」です。


【例:アプリ開発のオフショア外注】

たとえば、日本の会社がアプリ開発を受注し、人件費の安いベトナム・フィリピン・ドバイなどの子会社に開発を外注する――いわゆるオフショア開発。これは「現地の方がコストが安いから」という合理的な理由があり、実際に業務も行われていれば、まったく問題はありません。事実、日本国内の多くの企業でも同様の仕組みが採用されています。


【例:上場アパレル企業の海外発注】

上場企業のアパレルメーカーが、中国の工場に製造を外注するのも同じことです。日本に本社がありながら、海外に業務を委託しているのは一般的な経営判断です。このように、「代表者が日本にいるかどうか」や「誰が株主か」は関係なく、重要なのは「業務の実態」と「合理的な理由があるかどうか」だけです。


【ただし:移住後の代表継続は現実的に難しい場合も】

ドバイに実際に移住すると、日本での会社経営に日常的に関与するのが難しくなります。そのため、日本の代表を誰かに任せておいた方が、税務署への説明がスムーズです。「自分はもう日本の経営には関わっていない。ドバイで事業をしている」と説明しやすくなります。また、ドバイ法人から日本法人に業務を提供した場合、「これは日本法人の代表としての仕事なのか? それともドバイ法人としての仕事なのか?」という論点が出てきてしまいます。このようなリスクを避けるためにも、日本法人の代表を変更しておくことをおすすめします。代表変更は法務局での登記手続きのみで、費用も数万円程度とシンプルです。


【一人会社の場合は?】

もし従業員もおらず、完全な一人会社である場合は、日本の代表を続けていても問題ありません。ただしその場合、役員報酬はゼロにしておきましょう。役員報酬は「会社への貢献の対価」です。もしあなたがドバイにいて、日本で実際の業務をしていないのであれば、報酬を受け取るべきではありません。


また、日本からの所得があると「非居住者」として認められにくくなるため、移住後は「日本で仕事をしない、所得を得ない」ことが重要です。


【株も誰かに譲った方がいいの?】

「株も誰かに譲渡した方がいいのでは?」と思う方もいますが、これは誤解です。株主とは「会社の所有者」であって、「経営者」ではありません。たとえ海外居住者や外国人が日本企業の株を持っていても、それだけでは日本の税務には関係ありません。なぜなら、株主が海外居住者である限り、日本の税務の対象外になるからです。

実質的支配者という解釈

税務上で最も重要なのは、会社の登記名義が誰かではなく、その会社に業務の実態と合理的な理由があるかどうかです。


• 実態と合理性がある → ノミニーでも本人でも否認されない

• 実態がない → ノミニーでも「実質的支配者」として課税対象


つまり、「名義を変えれば逃れられる」なんて考えは通用しません。



そもそもノミニー契約の本来の目的を誤解している人が多いと感じます。ノミニー契約とは、課税逃れを目的とした手段ではありません。主な目的は以下のような現地事情に基づく形式的な代理です:


• 外資規制がある国(例:フィリピンの飲食業など)で現地人名義が必須の場合

• 会社設立や維持管理を現地の弁護士・会計士が代理で行う場合


これらは法律や制度上の制約をクリアするための手段であって、本来、実質的に誰が会社を動かしているかが問われるのが税務の視点です。


⚠️ 架空の業務を外注しても、日本で課税される可能性大


もしあなたが日本にいて、名義上はノミニーを使っていたとしても、実態のない海外法人に対して架空の業務を発注し、経費計上しているようなケースでは、日本の税務当局から経費否認・課税の対象になるリスクが非常に高いです。


実態があるケースは、もちろん問題ない


逆に、たとえば:


• 日本から従業員を現地に派遣し

• その社員が株主かつ現地で経営を行っている


というような場合は、完全に独立した現地法人です。この場合、ノミニーではなく「実態のある事業」として認められるため、課税上の問題はありません。ただし、あなた自身がその会社の株を日本に居住しながら保有している場合、業務実態が乏しければ**「実質的支配者」とされ、日本で課税される可能性**もあるので要注意です。

❹ 請求書に記載する金額

⚠️ 関係会社との取引は「移転価格税制」に注意!


例えば、第三者との取引であれば、水を1本100円で売ろうが1000円で売ろうが、価格は当事者同士の合意で自由に決まります。しかし、取引相手が関係会社だった場合は話が別です。関係会社とは、単に「自分・親族・友人の会社」に限りません。

たとえノミニー(他人名義)を使っていたとしても、あなたが実質的に支配していると判断されれば、それは関係会社と見なされます。


⚠️ なぜ関係会社との取引が厳しく見られるのか?


第三者との取引であれば「価格操作」は現実的にできませんが、関係会社間の取引では価格を恣意的に操作できるリスクがあります。そのため、税務上では「相場通りの価格で取引しているか?」を厳しくチェックするための制度、つまり「移転価格税制」が適用されます。


⚠️「移転価格税制」で重視される3つのポイント


移転価格税制の基本は、「その取引が、第三者同士なら成立しうる“相場価格”か?」です。ただし、正しい相場というのは誰にも断定できないため、以下の3点が重要な判断材料になります。


① 経済合理性があるか?


• 単に「いくら払ったか」よりも、その支出に将来的なリターンが見込めるかが重要です。

• たとえ短期的に赤字でも、長期的に利益が出る計画があるなら問題なし。


例:

日本で月10万円のHP管理契約を受注し、ドバイの関連会社に100万円で制作を委託。

一見赤字に見えますが、契約が3年(36ヶ月)なら、売上360万円に対して制作原価100万円なので、十分に合理性があると判断されます。

② 過去の第三者との取引実績と比較


• たとえばドバイから水を1000円で仕入れていても、以前に第三者から1200円で買っていた実績があれば、その価格に正当性があると説明できます。

• 過去の実績は“価格の妥当性を証明する資料”として非常に有効です。

③ 業界相場との比較


• 同じサービスについて、複数の業者から見積もりを取りましょう。

• たとえば、SNS運用の月額費用が複数社から50万円前後で提示されていれば、その金額は「業界相場に基づく合理的価格」として認められます。




✅ 結論:関係会社との取引は「価格が妥当かどうか」を証明できる準備がカギ


• 関係会社との取引自体は全く問題ありません。

• しかし「価格が不自然」「実態がない」「説明ができない」場合は、税務署から否認されるリスクがあります。


だからこそ、以下の3つの軸で事前準備・証拠保存を意識しましょう。


  • 経済合理性:その支出に見合った将来のリターンがあるか

  • 第三者との比較:過去に同様の条件で取引した実績があるか

  • 業界相場との乖離:同業他社との見積もりが妥当であるか


「正しい価格か?」という論点は、“いくら”ではなく、“なぜその金額なのか”が説明できるかどうか。


移転価格税制は「関係会社間の自由な取引を禁止するもの」ではなく、

正当性があるかどうかを明確にしておくべき制度です

❺ 実態証明の保管

ではドバイから日本に請求を行う場合、どのように実体を記録していくべきなのでしょうか。ここが一番重要です。例えば日本側の会社に税務調査がくるのは何年後かもしれません。その際に「5年前の取引実体を説明しろ」と言われても覚えてる人なんていません。しかし説明責任は経営者にあります。

これらを記憶に頼るのではなく形として残して明確に説明できるようにしておきましょう。シンプルに2つです。



1- 合理的な金額の決定

例えばドバイのあなたの会社が、日本の化粧品の顧客を一人紹介するごとに売上から20%のキックバック(アフェリエイト報酬)をもらうという明確な基準を記載しておきましょう。他にも、例えばSNS運用代行費用、月々XX万円などです。



2- 請求書に実体を添付して送る

例えばSNS運用であれば、投稿や編集をした写真、レポートを追加資料として日付を記載し添付しましょう。(結局言われるのは日本の会社なので、ドバイ側で納品書をしっかりしてあげることが重要です)


Googleドライブにそれら資料を追加し、そのリンクを請求書内に記載しておくのも一つの方法です。またはGyazoというスクリーンショットアプリ(月数百円程度の有料版がおすすめ)で記録を最低7年間以上は保存しましょう。これらリンクを請求書にも記載しておくと明確に説明できるでしょう。

サンプル:こちら (以下画像の請求書内のURLを開いた場合)


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基本的に日本から税制が安い国に経費を払い出している場合は、通常の税務調査よりも厳しい視点で見られます。しかし、その国で実態があり、業務を行なっており、それを裏付ける証明がある限りは現状の日本の税制では否認はできないのです。

しかし、逆にこれをやっていないことで数年に一度入る税務調査で実体を証明できないが故に、延滞税などを取られてしまう。また架空支払いとして悪質な場合重加算税(調査官の成績になるので)も狙ってくる場合もあります。しっかりと実体証明の記載と保管は、ドバイで業務を行う限り最重要事項として実施しましょう。

❼ ドバイ決算や法人税について

2023年6月に法人税の適用が施行されます。そもそもで9%も世界的には最低水準であります。が、まだ内容なども確定していない状況です。一方で多くの方が誤解をしていますが、AED 3Million 以下の売上で、特例申請した場合は引き続き0%となります。一方で AED 1でも売上が超えた場合は9%の対象になります。弊社の会計業務を請け負っている場合はほぼこれら申請は弊社が行うのでご安心ください。 また課税対象となった場合でも9%はAED 375,000を超えた利益に対してかかるものです。売上に対してではありません。 例えばあなたの会社が500,000AEDの利益があった場合(500,000-375,000)×9%=AED11,250の納税となります。さらに個人所得税に関してはかからないので役員報酬や給料としての払い出し分などは経費になるため、それらを多く計上することで実質無税は引き続き継続されるなど、モナコやその他タックスヘイブンと同様の仕組みはあるようです。 またそれら役員報酬などにつきましての適正価格は弊社監査人や会計チームと精査が必要ではあります。 弊社の顧客のほとんどが個人に価値を多く主張できる「コンサルティング」や「オンラインコンテンツ」、またその他オンラインでの業務がほとんどで、大半を個人給与や役員報酬としての経費計上は考慮の余地があります。 またこれら法人税の9%の概念や仕組みは「利益に対して」と、ほぼ日本や国際的な国々と同じ基準ですが、唯一違う点として赤字を永久に繰り越せることとなっています。計算式は以下です。

❽ドバイのVATについて

VATは日本の消費税だと思っていただければ大丈夫です。税率は5%ですが、日本と同じくある一定未満(売上AED375,000未満)の法人に対しては申告および納税が不要になります。VATを申告するためにはまず、ドバイの税務署FTAに自分の法人がVAT対象の事業者であると届け出る必要があります。届出をする義務があるのは以下の条件に合う法人です。 ・過去12ヶ月間の売上がAED 375,000を超える場合 ・今後30日以内の売上がAED 375,000以上になると予想される場合

また以下に該当する場合は任意でVAT事業者としての届出をすることが可能です。 ・過去12ヶ月間の売上もしくは経費※がAED 187,500を超える場合 ・今後30日以内の売上もしくは経費※がAED 187,500以上になると予想される場合 ただVAT登録にはそもそもで2ヶ月以上かかる上に、その間に万が一これら上記売上を超えてしまった場合でも申請中の金額に罰金がかかってきたりすることは原則ありません。

❾ ドバイでの経費の仕組み

まず経費を申請すると言うことは税金があるからと言う理由ですよね?ドバイでは日本と全く違った経費計上のルールがあります。

VAT還付の為の経費条件 ❶ 必ずVAT INVOICEが必要(支払う先の相手側のTRN番号が記載の請求書) ❷ 以下の3業種の場合はVAT INOICEがあっても還付申請不可 1. Staff Welfare expenses (福利厚生等)

2. Motor vehicle expenses(車両や船、ジェット等)

3. Entertainment Expenses(飲食や接待交際等) 法人税の為の経費条件 ❶ 必ずINVOICEやRECEIPT(レシート)が必要(支払った先の企業名が記載) ❷ Entertainment Expensesも認められるが金額の50%迄 上記どちらもクレジットカード明細だけでは認められません。 ドバイでは税金が低い分経費は厳しいと考えてください。レシートなども一つ一つドライブにアップしてURLを経費一覧に記載してください。



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